- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
[[水無月神魔]]
*セブドラ日記 [#b171b353]
え−、先日発売された[[セブンスドラゴン>http://dragon.sega.jp/]]ですが、
世界樹の時と違ってWikiを見ない様にするつもり(バグ情報は除く)なので、
モチベーション維持の為((世界樹の時はWikiの未完成部分を埋めるというのがモチベーションになっていました。))にもプレイ日記みたいな物を付けていこうかと。
ただ単にだらだら書くんじゃなくてストーリー仕立てで。まあ主役の名前が自分と同じだったりしますが……痛い?厨二?だから何。脳内%%保管%%補完がRPGの大事なエッセンスです。
では早速序章から。導入部はちびキャラトークネタで。
----
**プロローグ [#s0bdf60f]
英雄の治める地、カザン共和国。
数多くの人々が訪れるこの地には、絶えず新しい足音が響いている。
英雄の創りし街を見に来た旅の人、儲けを期待してやってきた商人と馬、トラブルの解決を求めて来る村人、そして。
&ruby(ハントマン){竜を狩る者};たち。
今もまた、一人の若者がカザンの門を潜ろうとしている。門を見上げる眼鏡の奥で、細めている眼がこれから映す物は、滅びの大地か、竜の屍か――
**1日目 [#y6539793]
-カザン共和国、東街門
昼の太陽がカザンの街に降り注ぐ。門の向こうから聞こえてくる活気に満ちた喧噪が、このカザンを支える原動力なのだろう。その力の一つとなるため、僕は、この街に。
「帰って来た……な」
空を見上げる。あのときと同じ景色、同じ空。でもあの時とは違う、背を向けて見た門と、胸を張って見る門。それを潜り僕は、ハントマンとしての道を、歩み出す。人類の敵、竜を狩る為、そして――
-ギルド登録
ギルドオフィスにて独立したハントマンとしてギルドの登録を済ませ、クエスト管理部で説明を受ける。
「シンマ、君ね。職業はメイジ、と……。ハイ、これで登録しておくわね。
今はあなた1人だけど、私に言ってくれればいつでもメンバーを追加するわ。
冒険に慣れないうちは4人で行動するのがオススメよ」
オフィスのエランさんの言葉を受けてカザンの街を回ってみたものの、
新米ハントマンの新米ギルドに参加してくれる人なんてなかなか居やしない。
同じようにまだ駆け出しのリタという子に出会ったが、逆にギルドに入ってくれる人を探してほしいといわれる始末。
こっちが探してほしい位だよ、全く……。
リタの話では、この街にはめぼしいハントマンは居ないとのことだ。さっき僕も回ってきたから分かっているが、今手隙なのはナイトとプリンセスのコンビ位のものだ。まあその人たちは引退者なんだけど。
何度目か分からないため息をつく。これ以上ここに居ても仕方が無い。&bury(ひとり){孤独};ではあるが、ただ留まっている訳にもいかない。
――あの時の彼女も、こんな気持ちだったのだろうか。
-数カ月前、カザン共和国
「…メンバーがぜんぜん集まらないわ。こんなはずじゃなかったのに…。」
僕は以前にもこのカザンに来ていた事があった。その時はハントマンとしてではなく、親類の商い――まあ、どうでもいいので事情は省こう――でだったのだけれど。
その時も、今と同じように街にはハントマン達が居て、広場で互いに情報交換をしている事が多かった。そんな彼らの話を聞いて、時には話し掛けたりもしているうちに、何人かと知り合いになった。その中の一人に、彼女が居た。
「あら、見ない顔ね。だれか、あたしの退屈を紛らわせてくれる人はいないものかしら?
退屈で退屈で、死にそうだわ!」
正直、第一印象は良くはなかった。からかわれたり、意地悪を言われたりすることもあった。けれどギルドが解散した話をしてからは、徐々に気弱な言葉を漏らすようになっていった。そんな彼女を少しでも元気づけてあげたくて、僕は彼女のギルドに入る約束をした。
カザンに竜が迫っている――その噂が街を包んだのはその頃だった。
「…ひょっとしたらあんたとくだらない話をするのもこれが最後になるかもね…」
彼女は、大統領の組織した防衛隊に志願していた。相手は竜。生きて帰れるという保証は何処にもない。それでも、彼女は行くって決めていた。そして防衛隊が撃って出る前日、彼女は僕に別れを告げた。再会の約束と共に。
「あんたのことあたし絶対忘れない。ちゃんと無事に帰ってくるからだから…あたしのこと忘れたら承知しないんだから!」
-一人きりの戦い
彼女は、一人きりだって戦いに赴いたんだ。だから僕も、泣き言は言えない。一人きりでも、旅を始めなければ――
「そう、思っていた時期もありました…って感じ…だなぁ……」
息も絶え絶えに、地面にしゃがみ込む。焦げた二体のラビを見ながら、少し前の自分の甘い考えを散々に罵倒した。そもそも&ruby(フィジカルの){肉体的に};貧弱な&ruby(メイジ){解読者};が一人でやっていこうというのがどだい無理なのだと。
一撃貰うだけでこの有様。もう一撃貰えば、大地の……いや、&ruby(フロワロ){滅びの花};の養分に成り果てていただろう。
やはり、一人では無理なのだろうか――
気がつけば、ギルドオフィスの前まで来ていた。馬鹿馬鹿しい。情けない。そんな簡単な決意だったのか?自嘲しつつも、その足はオフィスの中へと向かっていった。そして――
-旅の始まり
「やっぱり、あんただったのね!……何よ?そんなラビが&ruby(ナッツボール){豆鉄砲};食らったような顔して…まさか、あたしの事を忘れた何てことはないでしょうね?…もし、そうだったら……ひどい、んだからね!」
オフィスに入った僕を待っていたのは、捲し立てる様な高い声と二つに纏めた長い髪、華を模した冠と少しキツ目の印象を与える青い瞳。&ruby(プリンセス){戦場に舞う歌姫};――そう呼ばれるハントマンと、もう一人。鎧を着込み、剣を携え、プリンセスの側に控える様にして僕を見ている――睨んでいる――&ruby(ナイト){鉄壁の守護者};。
「……ちょっと、なんとか言ったらどうなの、ねぇ?…も、もしかして、本当に…ううん、そんな筈ないわ。だって…じゃあじゃあ、他人の空似だとか?ギルド名は偶然とか……そうよ、そっちの方が可能性が」
「え、あ、う、その、あー…」
捲し立ててから次第にブツブツと呟きだしたプリンセスとまるで意味を成さない言葉が漏れるだけの僕。苛立った様に間に割りこんだ、これも髪を二つに纏めたナイトが声を上げる。
「はいはい、あんたもそっちのあんたも落ち着きなさい。……私の名前はビリッチ。貴方の名前は?」
名前を名乗って、(不機嫌そうな声ではあったが)丁寧な口調でこちらの名を訪ねてくるナイトに、僕は半ば反射的に答えていた。
「あ、僕はシンマと言います」
「…………やっぱり、そうじゃないのよ!!」
&ruby(ノーラ){プリンセス};の良く透る声が、ギルドオフィスに響き渡った。
――あまり入り口で立ち話しないでほしいんだけどねぇ。呆れ半分でそう思いながら、厚いファイルを開いたエランは、残り半分の微笑ましさで2枚の登録票を取り出した。
「どっちを使う事になるのかしらね?……新しい旅立ちに、祝福を」