今日も仕事…だりー。 -- &new{2005-05-07 (土) 01:57:23};
今日も仕事中にBGMが……ヤヴァイな。心地良いヤヴァさだけど。 -- &new{2005-05-07 (土) 23:42:44};
*らぶデス的駄SS [#fb5d69c0]
――一人の老人の、人生の幕が下りようとしていた。
息子夫婦と孫達に囲まれ、正に大往生と言える、幕。
妻には先立たれていたが、思い残す事の無い、幸福な死。
だが、最期を迎えんとした時、一つだけ、願いがあった。
あるひととの、再会。3,4年だったか、それを最後に出会う事の無かったひと。
それは、老人自身の存在意義を、肯定する為に欠かせぬ&ruby(ピース){欠片};。
そして――今際の際、最後の願いは叶う。
(BGM:daybreak)
『……久しぶりね』
漆黒の姿。最後に会った時から、いや、少年時代から、変わらぬ姿。
(ああ、そうだね……)
最早声には成らない。だが、彼女には伝わっているだろう。そういう、存在だから。
『結局、貴方がいちばん最後になっちゃったわね』
感慨深げに、窓の外を見下ろす。視線の先の想い出の地は、今――
『貴方はとても、とても素晴らしい人生を送ってきたわ。きっと、誰よりも。』
振り返り、語りかける。
『誰よりも、その命を存分に使って、生きたわ。最早存在すらしないあの子の…あの子と引き換えに得た命を。』
老人の眼と、漆黒のひとの目が交差する。
(そうか……私は、充分に、生きたか……そして、彼女も……)
その真紅の双眸から流れ得るはずのないモノが、流れる。
『ええ……ありがとう…。今まで精一杯生きてくれて。』
老人の双眸から、溢れ出る最期の、命の泉。
(BGM:mute)
『あの子の分も――』(あいつの分も――)
(あいつ――)
「奈々……美……」
(BGM:奈々美のテーマ)
老人の口から紡がれた、名。最愛の名。
急速に覚醒する意識。視覚、聴覚、触覚――5感が意識の裡に収まり、自らの肉体に指令を下せるようになる。だが、それも最期の――最期の力だと、理解していた。
最期の力を、己の右手に乗せる。皺だらけの手が、最愛の孫の頬を撫でる。と、その瞳が彼女――漆黒のひとを見ている事に、気が付いた。
「……?」
不思議そうに見つめる視線に彼女も気が付き、その目を向ける。3人の視線が交錯し、そして……
にこっ
無邪気に笑いかける姿。
その笑顔を最期の光景として老人は再び倒れた。
心拍数や血圧らを測る計器が鋭い軌跡を見せる。
(……あの子と……)
『…ええ、わかったわ。奈々美……ちゃんね?』
(……ありが、とう……)
最期の瞬間に、穏やかな顔で老人は――
『礼を言うのは、こちらの方よ。……ありがとう。そして』
『さようなら』
逝った。
(BGM:REAL and endroll)
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かなりインスパイアされてます。近日中にGraphicの方も上げれるかも。&ruby(パーツ){構成要素};は確定してるんで、後は組み合わせと仕上げ次第。 -- &new{2005-05-07 (土) 23:42:44};